学びの場をモロッコから日本へ移すチャレンジ

この夏、十数年生活したモロッコから一旦生活拠点を日本へ移すことにしました。最も問題になるのは子どもの就学。モロッコと日本、かけ離れた学校生活と学習内容、不安は尽きませんが息子たちはそれぞれ地元の小・中学校へ通い始めました。

中1の2学期から公立中学へ編入

モロッコ側の学年が終わったタイミングでの転入なので、2学期からのスタートです。都会では帰国子女枠のある学校もあるようですが、公立しかない田舎なので学区の町立学校へ。コロナ以前は毎夏ひと月弱通っていたので日本の学校自体は初めてではありません。

小4の次男は学習面もそれほどギャップはなく、どこでもすぐ友達を作るタイプなので心配していませんが、初めて中学に入る長男は大きな環境変化とチャレンジです。モロッコで産み育てたけど、不思議な事に息子のアイデンティティーは日本。ムスリムという意識もあまりありません。今回は息子自身が日本の学校へ行きたいと言った事がこの決断を後押ししました。

けれども、楽しい事だけ体験できる夏休み帰国でしか日本を知らない、日本に夢見がちな息子。以前も記事にした通りモロッコと日本の学習内容がかなり異なる上に、国語力は小4レベル…今更中学へ編入できるのか、学力以外にも日本の中学の独特の雰囲気や突然始まる先輩後輩関係。空気など読めるはずのないモロッコ育ちの息子が上手くやっていけるのか、始めは無理だと思いました。

それでも、起きてもいないいじめや、やってもいない挑戦を親が無理と思ってやらないのは違うと思い、実家の環境やモロッコでの生活と仕事、すべてがタイミング良く区切りが付いたのでチャレンジしてみる事に。そう考えてみれば、中2ではもっと厳しいし中3では手遅れ。今回が最後のチャンスという気がします。

実際に中学へ行き始めると、小学校の時、短期でも一緒に学んだ子達がいて、人数も少数の田舎の学校、その割には外国ゆかりの子も何人かいるそうで、まずはほっとしました。

公立でも意外とかかる!日本の教育費

今まで夏の帰国時に短期通わせてもらっていた時は体験入学枠で無料だった学費。そのイメージで日本は学費も給食も医療費も無料(もちろん自治体による)。モロッコで新学期に本屋を巡って自分で教科書を揃える苦労から、教科書も無料配布してくれる日本は、教育費が安く保障も手厚くモロッコよりずっと楽!と思っていたのですが…本格的に転入してみたらやはりちょっと違いました。

中学の制服・学用品一式にそれなりの金額が掛かることは承知していましたが、学費が無料というわけでなく毎月積立金などでお金もかかるし、あれやこれやと揃えないとならない学用品はやたら高い。今までの積立金なども請求されトータルもモロッコ(私立)より高い印象。但し児童手当というありがたいものがあるのでかなりカバーできるといった所でしょうか。

学習ギャップをどう埋めるのか

英語圏でもないモロッコの現地校から日本の公立への転入。学習ギャップは大きいです。

日本語塾で国語と漢字を小4の内容まで学習したので、夏休みの間に小5漢字を覚えさせ、国語は一旦置いて社会を勉強。5年の社会から日本の産業構造、貿易が始まり、そこの知識は無いと困ると思ったのです。夏休みという限られた時間、すべてを網羅する事は到底無理なので厳選。3年ぶりの楽しみにしていた日本。勉強ばかりになるのも可哀そうだし親が教えるのにも限界がある。無理せず出来ることをコツコツやりました。

大丈夫と思っていた算数も、日本の小5分数を試しにやらせてみたら全然分からない状態…あんなに難しそうなアラビア語算数は何だったの?と思いましたが、約分、通分せよと言われても自分も全く出来ませんでしたw まず用語が全部分からない!

問題集やyoutubeでフォローしてみたけど、体系的に分からないので急遽小5の算数教科書をネット購入し勉強することに…思った以上に大変です。

どんな学習内容なの?モロッコ小学生の教科書を覗き見。
7月上旬、息子たちの今学年が無事に終了しました。モロッコは進級制の為、試験をパスしなければ小学生でも基本進級できないので学年末試験には緊張感があります。モロッコの小学生、そもそも何を学んでいるのでしょう? どんな科目がある? 私立と公立では...

選択肢を広げる為に

この転換がどうなるかは分かりませんが、無理だったらまた別の道もあるという気持ちで見守ることにします。それにしても、今まで少しずつでも日本語学習をやり続けた事が選択肢を広げました。

どこで何が起きるか分からないような世の中。息子たちにはモロッコでも日本でも自立して生きていけるようになって欲しいというのが私のシンプルな教育方針です。モロッコと日本、かけ離れた2つの国で生活も仕事もできたら、大抵の所でやっていけますからね…

日本に長く居るなら、今後はどれだけアラビア語と仏語をキープできるかが問題になるでしょう。ともかく、過度な負担はかけたくないので、学校の授業が辛くない程度に勉強について行けて、部活など今まで無かった体験で心身共に成長してくれればいいなと思います。

にほんブログ村 海外生活ブログ モロッコ情報へ

コメント

  1. 羽深由美 より:

    こんにちは、アメリカ在住のかつおぶしです。
    わ〜おめでとうございます!良く決断されましたね、素晴らしいです。
    せっかく持って産まれた複数の文化はとてつもない財産とチャンスです。見逃したら勿体な過ぎます。
    当地には後悔先に立たず、な人たちが大勢います。特に日本語は子供の頃からきちんと学んだ人たちはどれだけ恩恵を受けているか。
    色々大変な事も出てくるでしょうが、陰ながら応援しています!

    • foukarifoukari より:

      コメントありがとうございます。
      途上国でない、アメリカ在住の方でも日本語能力が大事とは少し意外でした!
      遠い場所からも温かい声をかけていただいて、嬉しいです(^^)

タイトルとURLをコピーしました