イスラムアーチとは
イスラム建築のシンボルという認識で今まで深く知ることはなかったのですが、そもそも何故この形なのか歴史を調べてみました。
現存する最古のイスラムアーチはイスラエルにある西暦789年の地下貯水槽の尖頭アーチだそう。それ以前の半円形のローマンアーチに比べ、3倍の重量を支えられるらしく、より天井の高い建造物が可能になり、西欧の豪華絢爛なゴシック建築が生み出されるきっかけになったとか。
改めて見てみれば、確かに真っ直ぐの柱よりも強度がありそうです。この柱だからこそモスクの広い礼拝堂を支えられるのですね。
モロッコで見られるイスラムアーチ
モロッコで見られるイスラムアーチですが、大型ホテルから一畳しかないような小さな店までありとあらゆる所に使われているので、言ってみればどこでも見られますw が、ここでは記述すべき特別なイスラムアーチをご紹介します。
ティンメルモスク(Tinmelmosque)
マラケシュから3時間ほどくねくねの山道を行く先にある山の中の古いモスクです。まるで鏡の中のようにアーチが連なる不思議な世界。
天井が無いのも特徴的。透き通った青い空とのコントラストや、強烈な日差しが作り出す影がアーチを一層神秘的に見せてくれます。
但し行くのがとっても大変!マラケシュからも一日がかりで車酔い必須の山の中にあり、訪れる人も稀。到着すると入口に書かれた電話番号に電話し、管理人に鍵を開けてもらうというマニアックなモスク。しかしムスリムでなくとも入れるので貴重な場所です。(本当に何もない田舎なので万一訪れる場合は管理人にたっぷりチップを…!)
クトゥビアモスク
苦労して連なるアーチを見にティンメルモスクへ行った後、地元フナ広場のクトゥビアモスクへ行ってびっくり!モスク内部に同じような連なるイスラムアーチがあったのです。こちらは白に赤い絨毯で荘厳さが際立っていました。
フナ広場のシンボル・クトゥビア。観光客の必須撮影スポットでもありますが、ミナレットは定番でもモスク内がこのような美しさとはほとんど知られていません。入り口は従業員用かと思われるほど地味で、ムスリム以外は入れないのがその理由でしょう。まさにティンメルモスクの室内版です。
メディナの隠れ家的イスラム庭園(Le Jardin Secret)
上二つはなかなか訪れるハードルが高いスポットですが、こちらはメディナ内にある観光施設なので気軽に美しきイスラムアーチが堪能できます。その名も秘密の庭 Le Jardin Secret。
実はこのイスラム庭園の本当の凄さは見た目の美しさでなく、治水にあります。モロッコと言えば住宅もホテルも水回りが酷い。少しの雨で道路が洪水になるので水は大の苦手分野だと思っていたのですが、ここを訪れるとイスラムの伝統治水技術が高度なものであると伺えます。
その他
メディナの中だけでも何個あるのか分からないイスラムアーチ。あっちにもこっちにも!とお気に入りのアーチを見つけて歩くのも楽しいです。もちろん各都市に訪れるべきイスラムアーチ建築はありますが、今回は書ききれないのでマラケシュのみとしました。
建築以外のアーチデザイン
到る所に使われているアーチデザイン。雑貨も例外ではありません。まず思い浮かぶのはミラー。装飾とアーチがマッチして本当に美しいです。アーチ好きにはたまらないミラーですね!
アトリエではウォールパネルを数年前から制作して来ました。現在はアーチデザインの在庫は僅かですが、いつかまた新たな商品として登場するかもしれません。
自宅にも…
もちろんモロッコの自宅にも作ってもらいましたよ!私のイスラムアーチへの情熱が伝わったでしょうか?笑
そして今回自分で作業したのは日本の昭和の家に描いたアーチ…本場モロッコと並べると日本がとってもカジュアルですが、仕方ないですね~リフォーム詳細は別記します!
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