お酒や豚の禁止より六信五行！イスラム教徒にとっての基本とは

六信五行

ムスリムの基本の行いを定めたものが六信五行です。

信じねばならない六つの事がこちら。

1. アッラー（アッラーが唯一絶対の神と信じる所からイスラムは始まる）
2. 天使（アッラーと人間との仲介的存在）
3. 啓典（神の声の記録コーラン）
4. 預言者（神の言葉を伝えるのが預言者。ムハンマドを始めキリストも含まれます）
5. 来世（死後の審判、天国と地獄）
6. 天命（神が定めたその人の運命）

行わねばならない五つの行いがこちら。

1. 信仰の告白「アッラーの他に神なし。ムハンマドはアッラーの使徒なり。」という言葉ですが、祈りの時間を告げるアザーンで言っているのは正にこれです。
2. 礼拝　一日5回の礼拝を指します。
3. 喜捨　ザカートという一年の貯蓄から出す制度化されたものから、日常自発的に行うサダカがあります。
4. 断食　ラマダン月30日間の日中の断食。（今もラマダン！）
5. 巡礼　一生に一度行うメッカ巡礼。

この中にお酒や豚など飲食の禁忌がないことが意外に思われるかもしれません。一日5回のお祈りは有名だけど、それと同じくらい喜捨も重要とも知られてない気がします。モロッコからは距離もあるメッカ巡礼は現実的にハードルが高い項目ですが、肉体的経済的に可能である者とコーランに記述があるそうです。

もちろん、六信五行にないからと言ってお酒を飲んでいいんだとか言うつもりはありません。しかしモロッコのようなソフトイスラムの国で、お酒を飲んでる人と一日5回お祈りする人が隣同士普通に暮らしていたり、ジーンズに長い髪をなびかせた女性とブルガで全身黒布で覆っている女性が同じ場所にいたり、それぞれムスリム（女性はムスリマ）として存在しているのは、六信五行がまず需要で、あとはそれぞれ自分や家族の考えで実践すればよいと多くの人が思っている社会だからだと思います。そしてそれこそがオシャレな雑貨や雄大な景色の他にも記述すべき、モロッコの魅力だと思うのでした。