女性のハレの日の儀式
ヘンナ(ヘナ)はミソハギ科の植物でその歴史は古く、クレオパトラの時代から手や髪を染める染料として使われていたそう。インドではメヘンディと言われていますが、モロッコではヘンナと言い手と足に施すナチュラルタトゥーを指します。結婚式では花嫁に欠かせない儀式の一つですが、結婚式でなくても婚約、出産、祝い事など、基本女性のハレの日に施される魔除けの一種です。模様にしなくても日常的に手のひらをそのまま染めている女性も見かけます。
誰が描くのかと言えば、近所でヘンナを描くのが上手い人がそのままヘンナ師となり家に呼ばれたり、人伝に上手いと評判の人を自宅に呼んで描いてもらうのが一般的です。(有料)上の結婚式の写真は身内の女性が描いています。
ヘンナのやり方
必要な物
- ヘンナ粉
- ヘンナ用注射器(針のないタイプ)
基本は粉と注射器があれば出来ます。(日本では専用チューブも売られています)ヘンナ粉を注射器から程よく出る堅さに水で溶くのですが、ここでコーヒーやレモン水を使い、1~2週間で消えてしまうヘンナの寿命を延ばす技が各家庭やヘンナ師にあって面白いです。描いた後はラップなどで包むと更によく染まりますが、モロッコでは割とそのまま30分~1時間程度乾かし、乾いたらぽろぽろ剥がしたり水で洗ったりしてヘンナを取り完成です。オレンジ~茶色の模様が染まります。
因みにヘンナはモロッコでも髪染めとしても使われています。白髪染めなので真っ白になった髪をヘンナで染めて頭がオレンジ色になっているおばあさんをよく見かけます。おじいさんが長く白い髭をオレンジに染めているのも見かけます。
デザイン
ベルベル的な幾何学模様や花模様、色んなデザインがあり特に決まりはありません。
幾何学模様タイプ
フェズ刺繍やラグにも使われているような幾何学模様。よりモロッコらしくレースを纏ったような美しさがあります。上が染め中、下が染まった後の色です。
花模様タイプ
どちらかと言えばインド風の花模様タイプ。モロッコのヘンナ師もこちらが得意な人が多いです。模様が細かく多いほど難しく時間がかかり、お値段もかかることになります。
小学校の図工教科書でもヘンナデザインの項目が…!教科書は呪術的デザインですね…
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息子の図工教科書が興味深く、真似して自分でも描いてみた投稿です。こんな細かな幾何学模様に憧れますが、実際には細かい線を描くのは至難の業。
デザインを見ていると、同じく魔除けとして用いられるファティマの手との関連も伺えます。
観光客も体験できる
マラケシュのジャマエルフナ広場は一大ヘンナ師のたまり場…もとい観光用のヘナタトゥーが気軽にできる場所です。フナ広場の商い女性は地元男性も恐れるw海千山千タイプなので、値段交渉などは大変かもしれませんが…
地元民の感覚としては片手なら50~100DHで十分だと思うのですが、フナ広場でやったことはないので詳しい相場は分かりません。2週間程度消えないので日本に帰国してから困らない場所に書いてもらいましょう!
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