モロッコにおけるユダヤ人
15世紀スペインのレコンキスタにより、多くのユダヤ人が対岸のモロッコへ逃れ、モロッコ系ユダヤ人となりました。その後イスラエル建国と共に多くが国外へ。しかし現在もユダヤ人コミュニティーはあり、国王のアドバイザーであったり、ビジネスや不動産地主といった面で大きな存在感を持っています。イスラムテリトリーの中でも大きな衝突もなく、お互いに隣人として共存してきた長い歴史は世界的にも評価されています。イスラエルと言うとアレルギー反応を示すモロッコ人も、古くからモロッコに住んでいてデリジャを話すモロッコ系ユダヤ人については、彼らもモロッコ人という認識です。
メディナの手芸屋さん
実際に街の小さな商店と大企業の例を見てみましょう。
ここにしかない資材が色々あって面白いメディナの老舗手芸材料店。その店主はユダヤ人のおじいさん。この店にはひっきりなしに物乞いがやってきます。カウンターに列が出来たとき、客より物乞いの方が多くて笑ってしまったけど、おじいさんは慣れた様子で一人に1DHずつ渡していましたし、物乞いの人々も慣れた様子で受け取るとすぐに立ち去るのでした。毎日来る人もいるのでしょう、日に何人に喜捨しているのでしょうか?
マラケシュの老舗企業
何の企業か忘れてしまったけど、マラケシュのユダヤ人経営者の老舗企業の話です。多くの従業員がいますが、その企業の定年退職の退職金がメッカ巡礼なのだとか!実はメッカ巡礼はモロッコ一般庶民にとって年収2年分以上の金額が旅費に必要なのです。モロッコで退職金出る企業がそもそもどの程度あるのか、ほとんど無いと思いますが、この企業は退職時だけでなく優秀社員の奨励としてもメッカ巡礼があるそう。すっごくモチベーション上がりそうですね!
2つの例から
ユダヤ人がモロッコでビジネスする上で何をもって人心を得ているのかよく分かります。ムスリムでないからこそ、ムスリムが大切にしていることを援助するのですね。流石に古くからモロッコに暮らしムスリムの心を掴むのが上手い!
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