ヴィンテージの魅力と難しい点
起毛のあるベロアであるからこそ、毛足が擦り減っていたり、ペンの跡など汚れがあったり、すべて使えるとはいかないヴィンテージ生地。擦り減った風合いもヴィンテージの魅力ではあるのですが、目立つ汚れやマジックの跡などがくっきりあるのは、やはり売り物にはなりません。
この生地にも所々跡が…気に入っている生地なのでもったいない…!この跡や擦り減った部分を上手くカバーできないかと考え、思い付いたのがハンディラです。
ハンディラとは
ベルベル民族の女性が結婚式に肩から羽織る、スパンコールがどっさり付いた生成りや白のウール織物。欧米でインテリアファブリックとして人気が高まり、モロッコでも品薄になったりしました。とにかく一枚インテリアに投入するだけで可愛い!しかし、実物を知っている身からすると、オシャレ写真によく使われているベッドに掛けるスタイルでは寝るのに重すぎるし、ラグとしては白くてスパンコールがたっぷりあって掃除が難しい…クッションとしてはお勧めですが、大物を取り入れるのはハードルが高いのも事実です。
ハンディラスパンコールを付けてみる…
ハンディラはラグ織物なので、生地に施されているのは見たことがありません。ペラペラの生地にスパンコールがあるのはちょっと安っぽいけど、その点ヴィンテージベロアならラグに劣らない迫力が生地にあるので良さそうです。
マラケシュはハンディラの産地ではないので、スパンコールだけ手に入るか心配でしたが、いつもの資材屋に売っていました!マジック跡や擦れに合わせてスパンコールを付けてみます。
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上手く隠れた上にさりげなく可愛い…バランスを見て全体的にも散りばめてみました。光に当たってキラキラ煌めきます!
商品化へ
上は自宅用の試作品ですが、新たに仕入れた生地がもっとハンディラ向きの色数が少ない生地だったので、商品としても制作してみました。まさにヴィンテージな風合いの生地です。
インクをどうにか誤魔化すという目的で生まれたアイデア。モロッコ独特のハンディラとモロッコ独特のヴィンテージサロン生地。他の商品にも応用してみたら面白いかもしれません!(*現在ファブリックパネルを制作中です。またクッションはスパンコール無しタイプも制作しました。)
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