モロッコ伝統装飾ベルベルジュエリーの探求

その昔マラケシュの本屋で奮発して購入したモロッコジュエリーの美術書。当時、辞書を引きながらひとつひとつ単語を調べたものの、仏語初心者ではとても読めないと写真を見て終わり。ずっと日本に置いていて読むことも無かった本ですが、スマホをかざすだけで翻訳してくれる時代になり、再びページをめくってみました。

伝統装飾品の現在

モロッコの伝統的なベルベル人の装飾品が地域ごとに解説されている本書。掲載写真は1960~90年ごろの物だそう。モロッコは今でも地域によって全く異なる民族衣装を見る事ができますが、普段はこのような装飾品を身に付けている姿は見られません。それでも結婚式になると、今も伝統衣装に身を包み、各家庭でしっかり保管してある装飾品を身に付ける地域がいくつかあります。シルバー製品の産地と言われるティズニットもそのひとつ。義父の故郷で親戚がいるので、知られざる村の女性たちの写真があります。

現在のティズニットの村の女性・普段着

白い一枚布を巻いて頭と口を隠します。…コロナでもマスク要りませんね…

結婚式の衣装

刺繍が沢山付いた赤のチュニックに赤のスカーフを頭に巻き、その上にてんこ盛りのシルバー装飾を飾ります。

現在もティズニットで売られている装飾品

伝統のデザインが今も生産・販売されているのが素敵。上の結婚式の装いもこのような現在生産されている装飾品を使用しています。オールドコインを使った物はすでにアンティークとしてマラケシュなどの宝飾品店へ収められているのでしょう。

象徴的なブローチのデザイン

伝統的なベルベル装飾で最も象徴的なのは布を留めるこの大きな針のブローチだと思います。本書でもこのブローチが数多く登場し、地域別のデザインが説明されています。ティズニットは上のギザギザタイプ。

私が持っている物とほぼ同じ品も紹介されていました。vallée(谷) du Sousと書かれていましたが、結局どこだか分からない!w

チベットとの共通点

モロッコへ行く以前、学生時代にチベットを旅行した事があります。そこで目にしたチベット民族衣装とモロッコのベルベル人の民族衣装、遥か遠く離れているのに似た要素をいくつも感じます。チベット装飾と言えば丸い大きな黄色の琥珀と色の濃い山珊瑚、トルコ石も多く使われますが、ベルベル装飾も同じ丸い黄色の琥珀と珊瑚が多く見られます。実はチベットの山珊瑚と言われる珊瑚もモロッコも出所は同じ地中海の珊瑚のようです。チベットはシルクロードの交易で手に入れたのですね。大陸は繋がっているのだと感じます。

チベットでも欠かせない琥珀玉

自分で作る

布物を中心としたお店『アトリエフォカリ』の前身は、ティズニットのシルバーパーツで作ったアクセサリーのお店でした。実家を整理していたら当時のシルバーパーツや天然石が沢山見つかりました。子どもが生まれてからはビーズをひとつひとつ通すような作業は出来なくなり、それでもいつか趣味で作ろうと少しずつ現地で集めてきたパーツもあります。

日本に置いてあったこの本を久しぶりに開いたのをきっかけに、もう一度手を動かしてみようという気持ちに。そんな風に作り始めたら今度は止まらなくなり、いくつかベルベルデザインのネックレスが出来上がりました。

モロッコの伝統装飾の色や雰囲気を残しつつ、日本で身に着けやすいサイズ、キレイめなデザインに。ありがたいことに早速ご注文をいただき、ほとんど残っていないので、折を見てまた作りたいと思います。大きな針のブローチと同じく特徴的なコイン飾り。美しい模様のオールドコインがまだいくつか手元にあり出番を待っていますからね…!

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